
※以前別のブログで書いた文章をそのまま掲載しています。
今週はじめから疲れているのを自覚していた。できる限り睡眠時間をとりたいし、頭を使いたくない。
折口も文学も嫌だったので、何かそれ以外のものを読みたかった。ブックオフに出かけて、見つけたのがこの本である。
本田総一郎、誰もが知るホンダの創業者だ。自分にとっては、あのスーパーカブを作った男である。 はじめて買ったバイクがスーパーカブだった。ガラクタ屋のような隣町のバイク屋のオヤジに、業者オークションで手に入れてもらった。十万円。それから違うバイクに二台乗ったけれど、いまは結局、そのカブに乗っている。自分よりも少し若い、二十代半ばのバイクであるが、いまもほとんど問題がなく走ってくれている。
そんなバイクを作った人だ、興味がある。読んでみると、1フレーズに対して、八百字前後のエッセイがつづられたものだった。
抜き書きをしていないから、中身についていちいち書くことはしないけれど、とても面白い本だった。
自分を老害かもしれないといい、だがそれに自覚的だから大老害ではない、小老害だという。
得意なことをやれ、自分のためにやれ、会社や上司のために働くな、という。
端的に気持ちの良い人のように思われる。男としては、格好いいジジィだ。
人間性が一番だ、という彼のようにはなれないけれど、それでも今から努力すればジジィになるころにはややまともになり、小老害とまでは行かずとも、中老害くらいにはなれるのではないか。
次に買うバイクはホンダにしようと思う。