※以前別のブログで書いた文章をそのまま掲載しています。
ふだんほとんど映画を観ないのですが、さすがにこれは観なければと思い、観て参りました。『引っ越し大名!』。
コメディもコメディなんですが、原作の松平直矩が男色イロボケキャラとして造形されており、映画でもしょっぱなから全壊(誤字ではない)で大変でした。
時代劇を真面目に観た記憶がなく、初時代劇だったかもしれません。北野武の『座頭市』は観たけれど。
中身はネタバレになるとアレですが・・・・・・
・星野源のヘタレ役はいいよね
主演の星野源が、架空の奉行である引っ越し奉行にさせられるところから物語ははじまります。ヘタレもヘタレなんですが、それがいい。原作だと早めに急成長を遂げ、頼もしくなっていくのですが、映画では終盤までヘタレっぷりが持続しており、キャストを考えるとこういう造形になるのか、と思いました。
・みんな大好き御手杵の槍、大活躍
結城松平家に伝来していた御手杵の槍も登場します。なんでも天下三名槍のひとつだそうで、某刀剣ゲームにもネームドで登場するとのこと。本物は結城松平家の屋敷が焼けたときに失われたそうですが、レプリカは何本かあるそうです。結城松平家は前橋で幕末を迎えており、前橋東照宮にもレプリカがあるそうです。あとは比企(埼玉県)にもあるらしいけど、何でですかね。一時期、領地だった川越藩関係でしょうか?
劇中ではこの槍が大活躍していますので、好きな方は観にいったらいいんじゃないかな。私はとある理由で爆笑していましたが。笑
・史実と虚構との間
フィクションはフィクションとして楽しめばいいと思うのですが、こと歴史物となると見逃せない問題もあるように思います。劇中に白河も出てくるのですが、現実(史実)には存在しないものが登場します。そのあたりをそのまま信じる方もいらっしゃるんだろうなぁと。私も受け入れて、信じ込んでいるものは多くあると思います。
映画における歴史の表現はどこまで正確なのでしょうか。
たとえば『君の名は。』に出てきた道祖神の位置は? 家と家との間に立つ双体道祖神は、どんな変遷を経てその場所にいたのか。
たとえば、『この世界の片隅に』で農具(ツキノミや三本鍬)で防空壕を造っていたシーンは? 私はこれを本当らしく感じましたが、事実はどうだったのか。
史実と虚構との合間にある淡いモノをどの取り扱うべきなのかについて、思いをはせずにはいられませんでした。